【首や肩の痛みは要注意】頚椎椎間板ヘルニアの症状・原因・治療法を解説
首や肩の痛みや腕のしびれは頚椎椎間板ヘルニアの症状である可能性があります。日本では、40歳を過ぎた頃から椎間板の変性が顕著になり始め、60歳代ではほとんどの人に何らかの変性が見られることが増える傾向にあります。
現代人の生活に欠かせないデスクワークやスマートフォンの長時間使用も、ヘルニアのリスクを高める要因となる場合があります。本記事では、頚椎椎間板ヘルニアの症状や原因、具体的な治療法を解説します。今すぐできる対策を知り、健康な毎日を送りましょう。
当院では、頚椎椎間板ヘルニアをはじめとした整形外科疾患に対し、丁寧な診察とわかりやすい説明を心がけています。不安な症状がある方も安心してご相談いただけるよう、以下の記事で診察の流れや受付方法を詳しくまとめています。
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記事監修:川口 慎治
大室整形外科 脊椎・関節クリニック 医師
経歴:
徳島大学医学部卒業後、洛和会音羽病院に勤務
京都大学医学部整形外科学教室入局
学研都市病院脊椎脊髄センター勤務
2023年より 大室整形外科 脊椎・関節クリニック勤務
専門分野:脊椎・脊髄外科
資格:
日本専門医機構認定 整形外科専門医
日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医
日本脊椎脊髄病学会認定 脊椎脊髄外科指導医
日本脊椎脊髄病学会認定 脊椎脊髄外科専門医
頚椎椎間板ヘルニアとは?神経圧迫のメカニズム
頚椎椎間板ヘルニアとは、首の椎間板が変形して神経を圧迫し、手や腕のしびれや痛みを引き起こす病気です。頚椎は7つの骨で構成され、椎間板がクッションの役割を果たしていますが、加齢や負担により水分が減ると弾力が低下します。その結果、外側の線維輪に亀裂が入り、内側の髄核が飛び出して神経を圧迫します。
症状は、ヘルニアがどの方向に飛び出し、どの神経を圧迫するかで異なります。代表的なタイプは以下のとおりです。
| タイプ | 圧迫部位 | 主な症状 |
| 正中型 | 脊髄中央 | 両手足のしびれ 歩きにくさ |
| 傍正中型 | 脊髄片側 | 片側の手足の痛みやしびれ |
| 外側型 | 神経根 | 首から腕 指の強い痛み |
40歳以降で発症が増えますが、スマートフォンやデスクワークの影響で若年層にも増加しています。首や腕に違和感があれば、早めに整形外科を受診することが大切です。
【症状チェックリスト】注意すべき症状
頚椎椎間板ヘルニアの症状について、以下の3段階に分けて解説します。
- 初期症状:首や肩のこり、違和感
- 中期症状:腕の痛みやしびれ、握力低下
- 重症化:歩行障害、排尿障害
初期症状:首や肩のこり、違和感
初期症状では、首や肩のこりや違和感、首を動かしたときの痛みなどが現れます。多くの方は、慢性的な肩こりのように感じ、頚椎椎間板ヘルニアとは気づかないケースが多いです。頚椎椎間板ヘルニアの症状は、神経が圧迫される部位によって大きく異なります。
神経根症は、多くの場合、片側の上肢に症状が現れ、肩甲骨付近から腕にかけて痛みが生じることがあります。腕のだるさや重だるさを感じることもあります。脊髄の中心部が圧迫される脊髄症では、初期段階では腕のしびれ程度であることが多いです。
症状が進行すると、ボタンを留めたり、箸を使ったりといった細かい動作が困難になる巧緻(こうち)運動障害が現れることもあります。初期症状の段階では、痛みが軽く、一時的なものであるため、放置してしまう方も少なくありません。症状に応じて適切な医療機関を受診し、診断を受けることをおすすめします。
そもそも椎間板ヘルニアとはどのような病気なのか、腰椎や頚椎を問わず、基礎から知っておきたいという方も多いかもしれません。以下の記事では、椎間板ヘルニアの主な原因、代表的な症状、治療法の選択肢についてわかりやすく解説しています。
>>椎間板ヘルニアとは?原因・症状・治療法を解説
中期症状:腕の痛みやしびれ、握力低下
中期症状に進行すると、初期症状に加えて、腕の痛みやしびれ、握力低下の症状が現れます。神経根症では、筋肉が痩せてきたり、力が入らなくなったりといった症状が見られ、握力などの筋力低下が顕著になります。握力が弱まると、ペットボトルの蓋が開けづらい、重い荷物を持てないなど、日常生活に支障が出てきます。
脊髄症では、上肢だけでなく体幹や下肢にも症状が現れるようになります。下肢の腱反射が弱くなったり、足を引きずるような歩き方(痙性歩行)になったりすることもあります。排尿障害が現れ、尿が出にくいあるいは尿が漏れてしまう症状に悩まされる場合もあります。
中期症状に進行すると、日常生活に支障をきたすようになり、仕事や家事に影響が出始める可能性があります。細かい作業や力仕事が困難になることがあるため、医療機関への受診をおすすめします。
重症化:歩行障害、排尿障害
重症化すると、歩行障害や排尿障害などの深刻な症状が現れます。脊髄が圧迫されることで、神経伝達が阻害され、さまざまな症状が現れます。歩行障害が進行すると、ふらつきがひどくなり、歩行が困難になる場合があります。
排尿障害も悪化し、尿が出にくいあるいは尿失禁の症状に悩まされることになります。便秘の症状が現れることもあります。重症化すると、歩行や排泄機能に影響が出る場合があります。速やかに医療機関を受診することをおすすめします。
頚椎椎間板ヘルニアの主な原因とリスク要因
頚椎椎間板ヘルニアの主な原因である、以下の4つを解説します。
- 加齢による椎間板の変性
- デスクワークやスマートフォンの使用
- 喫煙と頚椎椎間板ヘルニアの関係
- 遺伝的要因と外傷
加齢による椎間板の変性
加齢は、頚椎椎間板ヘルニアの一般的な要因の一つです。赤ちゃんの椎間板は、水分を豊富に含んでおり、弾力性に富んでいます。しかし、加齢とともに、水分が徐々に失われていきます。40歳を過ぎた頃から、椎間板の変性が顕著になり始め、60歳代ではほとんどの人に何らかの変性が認められるようになります。
椎間板は、背骨の骨と骨の間にあるクッションの役割を果たしており、ゼリー状の髄核と周囲を囲む線維輪で構成されています。加齢とともに椎間板が乾燥し、弾力性を失うと、線維輪に亀裂が生じやすくなります。亀裂から髄核が飛び出し、神経を圧迫することで、頚椎椎間板ヘルニアが発生します。
医学的には、神経根が圧迫されると神経根症、脊髄が圧迫されると脊髄症と呼ばれます。神経根症では、片側の腕に痛みやしびれが生じるのに対し、脊髄症では両腕や両足に症状が現れることがあります。排尿障害などの自律神経症状を伴う場合もあります。
デスクワークやスマートフォンの使用
デスクワークやスマートフォンの使用は、頚椎椎間板ヘルニアの大きな要因となっています。長時間同じ姿勢を続けることで、首や肩に負担がかかり、椎間板への圧力が増加します。デスクワーク中に首が前方に突き出た姿勢やスマートフォンを見る際に下を向き続ける姿勢は、頚椎への負担を増大させます。
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用は、頚椎周囲の筋肉の緊張を高め、血行不良を引き起こします。血行不良は、椎間板への栄養供給を阻害し、椎間板の変性を促進させる可能性があります。筋肉の緊張は、頚椎の安定性を低下させ、椎間板への負担を増加させることにもつながります。
喫煙と頚椎椎間板ヘルニアの関係
喫煙は、頚椎椎間板ヘルニアを含むさまざまな健康問題のリスクを高めることが知られています。タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させ、血行を阻害します。結果、椎間板への酸素や栄養の供給が不足し、椎間板の変性が促進されます。
遺伝的要因や外傷
頚椎椎間板ヘルニアは、体質が関係している可能性も指摘されています。コラーゲンの遺伝子情報など、ご家族にヘルニアの方がいる場合は、発症しやすい傾向が考えられます。
スポーツや事故による首への強い衝撃も、頚椎椎間板ヘルニアの原因となります。ラグビーや柔道、アメリカンフットボールなどは首に強い衝撃が加わりスポーツ外傷のリスクが高いです。交通事故でのむち打ちや転倒による頭の強打など、不意の衝撃による首へのダメージも懸念されます。
頚椎椎間板ヘルニアの検査内容
頚椎椎間板ヘルニアの検査内容について、以下を解説します。
- 問診
- 神経学的検査
- 画像検査(MRI・CT・レントゲン)
問診
問診は症状の原因を探るために重要です。医師は患者さんから伝えられる情報をもとに、病状を推測し、適切な検査を組み立てます。ご自身の言葉で症状を詳しく教えていただくことで、診断の精度が上がります。問診の主な内容を以下の表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
| 症状について | ・始まった時期 ・どのような症状 ・症状の場所 ・片側もしくは両側か |
| 症状の変化について | ・症状が強まる姿勢 ・症状が楽になるとき |
| きっかけや背景について | ・転倒歴 ・仕事や日常生活の動作 ・既往歴 ・外傷歴 |
問診で聞かれることを事前に用意しておくと、スムーズに伝えられます。
神経学的検査
神経学的検査は、神経がどこでどれくらいダメージを受けているかを詳しく調べるための大切な検査です。この検査を行うことで、画像だけではわからない「神経の実際の働き」を確認し、ヘルニアがどの位置にあるのかを正確に推測できます。
具体的な方法としては、まず腕や指の力強さを測って神経の伝わり方を調べる「徒手筋力テスト」を行います。他にも、皮膚に触れて感覚のしびれや鈍さを確かめる「知覚検査」や、肘などを軽く叩いて筋肉の反射を見る「深部腱反射」があります。
首を傾けて軽く圧力をかけ、腕に痛みが出るかを確認する「誘発テスト」なども組み合わせます。
画像検査(MRI・CT・レントゲン)
問診や神経学的検査で頚椎椎間板ヘルニアが疑われた場合、診断を確定させるために画像検査を行います。画像検査は頸椎や神経の状態を画像で目視確認できます。それぞれの検査の特徴を以下の表でまとめています。
| 検査の種類 | 画像でわかること | 役割 |
| レントゲン | ・頸椎の形 ・頸椎の並び方 ・関節の間隔 |
・頸椎の骨格を確認する検査 ・骨の変形や加齢による変化を評価 |
| MRI | 軟部組織(椎間板、脊髄、神経)の状態 | ・ヘルニアの位置の確認 ・ヘルニアの突出状況 ・神経圧迫状況 |
| CT | ・頸椎の細かい形状 ・骨棘 ・靭帯の骨化 |
・骨の詳細状況の確認 ・骨の異常確認 |
画像検査の結果と問診、神経学的検査で得られた情報を合わせて、総合的に最終的な診断をします。
頚椎椎間板ヘルニアを防ぐ生活習慣
頚椎椎間板ヘルニアを防ぐ生活習慣について、以下を解説します。
- 正しい姿勢の保ち方
- ストレッチ
- 筋力トレーニング
正しい姿勢の保ち方
日常生活で正しい姿勢を保つことは、頚椎への負担を軽減するうえで重要です。加齢とともに椎間板は変性し、髄核が飛び出しやすくなるため、日頃から正しい姿勢を意識することで、頚椎への負担を抑えることができます。座り姿勢の場合、下記の点に注意しましょう。
- 椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばす
- 足の裏全体を床につけ、膝は90度に曲げる
- パソコンを使う際は、画面を目の高さに合わせる
- 1時間に1回は休憩を取る
パソコンを使用する際、画面の高さが合わない場合は、台などを用いて調整し、目線を下げすぎないように工夫しましょう。立ち姿勢の場合、下記の点に注意しましょう。
- 背筋を伸ばし、あごを引く
- お腹に軽く力を入れて、体幹を安定させる
- 肩の力を抜き、リラックスした状態を保つ
- スマートフォンを見る際は、目線を下げすぎないように注意する
- 長時間スマートフォンを使用する場合は、こまめに休憩を取る
寝る姿勢の場合は、下記の点に注意してください。
- 枕の高さを調整し、首が自然なカーブを描く
- 寝返りを打ちやすいマットレスを選ぶ
高すぎる枕や低すぎる枕は、頚椎に負担をかけ、睡眠の質を低下させる可能性があります。硬すぎるマットレスは寝返りしにくく、体の一部分に負担がかかりやすくなります。正しい姿勢を保つことは、最初は意識的な努力が必要ですが、続けることで自然と身につきます。
治療中や回復期には、避けるべき動作や習慣を正しく知っておくことも予防・再発防止に役立ちます。以下の記事では、椎間板ヘルニアの方が「やってはいけないこと」について、具体例を挙げながら詳しく解説しています。
>>椎間板ヘルニアでやってはいけないこと7つ|悪化させない方法
ストレッチ
ストレッチは、固まった筋肉をほぐし、血行を促進することで、頚椎への負担を軽減する効果が期待できます。毎日、朝晩など時間を決めて行うことをおすすめします。痛みを感じない範囲で、心地よいと感じる程度に行ってください。肩甲骨を動かすストレッチは、以下の手順で行います。
- 背筋を伸ばして立ち、両手を肩に置く
- 肘で大きな円を描くように、前から後ろへ5回ゆっくりと回す
- 後ろから前へ5回ゆっくりと回す
肩甲骨の動きを意識しながら行うことが大切です。肩甲骨周囲の筋肉の緊張が和らぎ、血流が改善されるのを感じましょう。胸を開くストレッチは、以下の手順で行いましょう。
- 両手を後ろで組み、手のひらを合わせる
- 息を吸いながら、腕を後ろに伸ばし、胸を前に突き出す
- 10秒間キープする
- 息を吐きながら、元の姿勢に戻る
- 5回繰り返す
胸を前に突き出す時は、肩甲骨が中央に寄るように意識しましょう。猫背気味の方は胸を開くストレッチを行うことで、胸の筋肉が伸び、姿勢の改善にもつながります。
ストレッチは、入浴後など身体が温まっているときに行うと、より効果が期待できます。痛みを感じる場合は無理せず、心地よい範囲で行うことが大切です。ストレッチの間違ったやり方は逆に症状を悪化させる恐れがあります。
以下の記事では、椎間板ヘルニアの方におすすめのストレッチ方法や、実践時の注意点について詳しく解説しています。
>>椎間板ヘルニアのストレッチ方法|症状を和らげるポイントも解説
筋力トレーニング
首や肩周りの筋肉を鍛えることで、頚椎を支える力を強化し、負担を軽減できます。筋力トレーニングは、週に2~3回行うことをおすすめします。ただし、痛みがある場合は無理せず中止し、医療機関を受診してください。タオルを使ったトレーニングは、以下の手順で行います。
- タオルを両手で持ち、頭の後ろにかける
- 頭を後ろに倒すように力を入れる
- タオルで頭を前に押さえるように抵抗を加える
- 5秒間キープし、5回繰り返す
肩甲骨を寄せるトレーニングは、以下の手順で行いましょう。
- 椅子に座り、背筋を伸ばす
- 両肘を曲げ、手のひらを前に向ける
- 肘を後ろに引き、肩甲骨を寄せる
- 5秒間キープし、5回繰り返す
肩甲骨同士が近づくように意識することが大切です。肩甲骨を寄せるトレーニングは、肩甲骨を支える筋肉を強化し、姿勢の改善にも役立ちます。
頚椎椎間板ヘルニアの治療法:保存療法から手術まで
頚椎椎間板ヘルニアの治療法について解説します。
保存療法:薬物療法、リハビリテーション、装具療法
保存療法は、手術を行わずに、薬物療法やリハビリテーション、装具療法などを用いて、痛みやしびれなどの症状を軽減し、日常生活の改善を目指す治療法です。保存療法の効果は患者さんの状態や症状によって異なりますが、数週間〜数か月かけて徐々に改善していくことが多いです。
薬物療法とは、消炎鎮痛剤やビタミンB12製剤、神経障害性疼痛緩和薬などの薬を使用し、痛みやしびれを和らげる治療法です。消炎鎮痛剤は炎症や痛みを抑える目的で、ビタミンB12製剤は神経機能の維持を目的として処方されることがあります。
リハビリテーションは、理学療法士などの専門家指導のもと、患者さん一人ひとりの状態に合わせて行います。筋力トレーニングやストレッチによって、首や肩周りの筋肉を強化し、頚椎の安定性を高めることで、症状の改善を目指します。
装具療法では、頚椎カラーと呼ばれる装具を装着することで、首への負担を軽減し、痛みを和らげます。装具療法は、保存療法の一つとして用いられ、症状の悪化を防ぎながら自然治癒を促す役割も担っています。
神経ブロック注射
保存療法に取り組んでも痛みの緩和ができず、日常生活に影響がある場合には神経ブロック注射を検討します。痛みの原因となる神経の近くに、局所麻酔薬を直接注射する治療法です。脳に伝達する痛み刺激を一時的に遮断することで、痛みを和らげます。
神経ブロック注射は飲み薬よりも効果が早く現れ、鎮痛効果が期待できます。痛みが継続した状態は筋肉が緊張することで血行が悪化しやすいです。神経ブロック注射の種類によっては、血管を拡張し血行を改善する効果があります。
血流改善は、痛みによる筋肉の緊張で滞った血流や痛みの原因物質を流す効果も期待できます。神経が圧迫されている部位によって、注射を打つ場所や種類は異なるため、専門医が適したブロック注射を選択します。
手術療法:種類とメリット・デメリット
保存療法で効果が見られない場合や麻痺などの神経症状が進行している場合、手術療法が検討されます。手術療法には、頚椎前方固定術や椎弓形成術などがあり、それぞれの手術方法にメリット・デメリットがあります。
頚椎前方固定術は、椎間板を切除して、人工骨や自分の骨を移植して固定する手術です。神経の圧迫を取り除き、痛みやしびれを改善する効果が期待できる場合があります。椎弓形成術は、神経の通り道を広げる手術です。神経の圧迫を軽減し、症状の改善を図ります。
手術療法は、症状の改善が期待できる一方、手術に伴うリスク(神経損傷や感染症など)も存在します。手術療法を選択する場合は、それぞれの術式の特徴やメリットとデメリットを理解したうえで、医師と話し合い、ご自身の状況に合った治療法を選択することが重要です。
手術に至らないケースや、手術後の回復をスムーズにするためには、日常生活の過ごし方も重要です。以下の記事では、椎間板ヘルニアの治療法全般と、回復をサポートする生活習慣について詳しく解説しています。
>>椎間板ヘルニアの治療法!回復に役立つ生活習慣も紹介
専門医選びのポイント
専門医選びのポイントについて、以下の3つを解説します。
- 初診は整形外科がおすすめ
- 頚椎椎間板ヘルニアに詳しい医師の見つけ方
- セカンドオピニオンの重要性
初診は整形外科がおすすめ
整形外科は、骨や関節、筋肉、神経などの運動器の疾患を専門的に扱う診療科です。頚椎椎間板ヘルニアも整形外科の専門領域です。整形外科を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。整形外科では、問診や身体診察に加えて、レントゲン検査やMRI検査などを行い、痛みの原因を特定します。
レントゲン検査では、骨の状態や変形などを確認できます。MRI検査では、椎間板の状態や神経の圧迫の程度などを詳しく確認することが可能です。検査結果にもとづいて、痛みの程度や症状に合わせた薬物療法やリハビリテーション、手術療法などの治療法を提案します。
頚椎椎間板ヘルニアに詳しい医師の見つけ方
整形外科の中でも、脊椎疾患に詳しい医師を探すには、いくつかの方法があります。日本整形外科学会や日本脊椎脊髄病学会などの専門医資格を持つ医師を探すことも1つです。専門医資格は、各専門学会が認定する資格で、資格取得には一定の経験と知識が求められます。
インターネットで地域の医療機関を検索する際に、専門とする疾患や資格を確認することもできます。医療機関のホームページで医師の経歴や専門分野を確認することも有効です。医師の専門分野や経歴を知ることで、より適切な医療機関を選択できます。
セカンドオピニオンの重要性
セカンドオピニオンとは、現在治療を受けている医師とは別の医師に意見を求めることです。セカンドオピニオンは、患者さんの権利として認められており、治療方針や手術を受けるべきか悩んでいる場合の選択肢になります。異なる医師の意見を聞くことで、新たな視点や選択肢が見えてくる可能性もあります。
セカンドオピニオンを受ける際には、現在の主治医に相談し、紹介状を書いてもらうことをおすすめします。紹介状には、これまでの治療経過や検査結果などが記載されるため、診察する医師がスムーズに状況を把握できます。セカンドオピニオンは、より良い治療法を選択するための一つの手段として、積極的に活用するようにしましょう。
大室整形外科の治療方針と特徴
大室整形外科では「再び立ち上がり、人生を楽しむ」という理念を掲げ、頚椎椎間板ヘルニアの患者さん一人ひとりに最適な治療プランを提供しています。現在の症状や痛みの程度、日常生活への影響など些細なことでも構いませんのでお気軽にご相談ください。
大室整形外科では、保存療法を中心とした治療を第一に考えています。リハビリテーションは、医師と在籍する理学療法士や作業療法士が連携することで、質を高くより専門的に実施しています。患者さんの症状により適したリハビリテーション実施計画書を作り、訓練に取り組んでいただいています。
適切な運動療法を行うことによって、体のバランス能力改善や関節のまわりの筋肉を鍛え、負担を軽減させることを目指します。保存療法で効果が見られない場合や麻痺などの神経症状が進行している場合は、手術療法を検討します。
大室整形外科では、できる限り負担の小さい手術(低侵襲手術)で治療しております。手術は内視鏡や顕微鏡、ナビゲーションシステム、神経モニタリングシステムなど最新機器を用いた低侵襲手術で、体への負担が少なく、短い入院期間で治療が可能です。
手術療法が必要な場合でも、術後のリハビリテーションをしっかり行うことで早期の社会復帰を目指します。大室整形外科は、姫路市で脊椎センターと人工関節センターを持つ専門クリニックとして、質の高い医療サービスの提供に努めています。首や肩、腕の痛み、しびれでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
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頚椎椎間板ヘルニアのよくある質問
頚椎椎間板ヘルニアについて、寄せられる質問にお答えしていきます。
Q1.頚椎椎間板ヘルニアは完治する?
傷ついてしまった椎間板は、完全に元の状態に戻るわけではありません。治療の目的は痛みやしびれがなくなり、日常生活を送れるようになることです。症状が改善した後も、頸椎に負担のかかる生活を続けていると再発するリスクがあります。治療後も正しい姿勢を心がけるなどの取り組みが、健康な状態を維持するために大切です。
Q2.頚椎椎間板ヘルニアを放置するとどうなる?
首の痛みや手のしびれを自覚しているのに、自己判断で放置すると症状が悪化する可能性があります。神経への圧迫が長期間継続すると、痛みやしびれが常に続く慢性痛になり改善が難しくなります。神経が傷つくため手の筋力が低下し、ボタンがかけにくくなる巧緻運動障害のリスクがあります。
頚椎椎間板ヘルニアと似た症状を引き起こす、別の病気が隠れている可能性もあります。正確な診断のためにも症状が続く場合は放置せず、整形外科を受診しましょう。
Q3.手術は必ず必要?リスクはない?
頸椎椎間板ヘルニアの治療の基本は、保存療法を行うことです。主な保存療法は以下のとおりです。
- 安静、頚椎カラーによる固定
- 薬物療法
- リハビリテーション
- 神経ブロック注射
手術は神経の近くを扱うため、リスクの理解も欠かせません。前方頸椎椎間板切除術(ACDF)では、まれに「脊髄硬膜外血腫」が起こると報告されています。これは術部に血の塊ができ、再び神経を圧迫してしまう合併症です。数日以内に発生する場合があり、緊急の再手術が必要になることもあります。
当院では患者様の生活背景を伺い、最適な治療法を共に考えていきます。不安な点は遠慮なくご質問ください。
Q4.仕事や家事は続けられる?
症状の程度によって、お仕事や家事をどの程度続けられるかは異なります。ご自身の体の状態に合わせて、無理のない範囲で行うことが大切です。症状が軽く、デスクワークや軽作業であれば、姿勢や休憩に気をつけることで、お仕事を続けられる方が多いです。
痛みやしびれが強く、お仕事や家事に集中できない場合は、一時的に休養を取ることが大切です。医師に相談し、必要であれば診断書を発行してもらい、休職や業務内容の変更を検討しましょう。保存療法であれば通院しながらお仕事を続けることが可能です。
いつから、どの程度の活動に復帰できるかは、主治医と相談して決めましょう。
Q5.再発の可能性はある?
頚椎椎間板ヘルニアは、再発する可能性があります。再発のリスクを高める要因としては、以下が考えられます。
- 生活習慣:長時間のスマートフォン操作や、前かがみ姿勢
- 加齢:年齢とともに椎間板の水分が失われ、傷つきやすい
- 遺伝的な要因:体質の関係性
加齢により頚椎が変形し、神経を圧迫する頚椎症に移行することがあります。再発を防ぐためには、治療後も正しい姿勢の維持や、適度な運動を習慣にしていきましょう。
まとめ
頚椎椎間板ヘルニアの初期症状は、首のこりや違和感、首を動かしたときの痛みなど、肩こりのように感じるため、見逃してしまう方もいます。主な原因は、加齢による椎間板の変性やデスクワークやスマートフォンの長時間使用、喫煙などです。症状が進むと、腕の痛みやしびれ、握力低下などが現れ、日常生活にも支障が出てきます。
重症化すると歩行障害や排尿障害といった深刻な症状が現れる場合もあるので、早期発見・早期治療が重要です。日頃から正しい姿勢を意識し、ストレッチや筋力トレーニングを行うことで予防できます。頚椎椎間板ヘルニアの疑いがある場合は、整形外科を受診しましょう。
つらい症状を我慢せずに、適切な治療を受けて、快適な生活を取り戻しましょう。
当院の受診をご希望の方は、まずはお電話にてご予約ください。詳しいアクセス方法は、以下のページをご覧ください。
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参考文献
Jerzy Gregorczyk, Negin Fani, Mikołaj Biegański, Jakub Mocarski, Pawel Kowalczyk, Piotr Dąbrowski, Rafał Górski, Mateusz Bielecki. Incidence of Spinal Epidural Hematoma After Anterior Cervical Decompression and Fusion: Systematic Review, Meta-Analysis, and Case Report. World Neurosurgery, 2025, 203, p.124442

