高血圧と整形外科手術 〜内科的視点から⑥
安心・安全な手術を受けるために
シリーズ 6
安心・安全な手術を受けるために シリーズ 6回目は、整形外科手術と高血圧について、
患者さんからよくある質問をテーマに取り上げます。
Q:高血圧治療中ですが整形外科の手術を受ける上で、気をつけるべきことはありますか?
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A:術前の数値チェックでの注意ポイントがあります。
手術を受けることは、自分の血圧や降圧薬治療を見直す
とてもよい機会となります。
整形外科疾患は痛みを伴うことが多く、
それが原因で血圧が普段より上昇することがあります。
自宅での血圧をお知らせください。
大室整形外科では手術前に必ず血圧測定と高血圧の治療中か問診を行います。
整形外科疾患を患っている方は、痛みを感じていることが多く、
それが原因で血圧が普段より上昇していることもあります。
さらに、クリニックでは緊張のため自宅よりも高血圧となることもあるため、
血圧手帳をお持ちの方や自宅での血圧もお知らせいただくと、より正確に把握できます。
手術前日や手術日もいつも通り降圧薬の内服を継続してください。
ただし、降圧薬には下記のように色々な種類があり、ARB、ACE阻害薬など術前に内服すると
手術中に低血圧を来すものもあり、場合によっては中止をお願いすることもあります。
おもな降圧薬 | |
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カルシウム拮抗薬 | 血管を広げて血圧を下げます |
ARB、ACE阻害薬 | 血管を収縮させる体内の物質をブロックして血圧を下げます |
利尿薬 | 血管から食塩と水分(血流量)を抜いて血圧を下げます |
β(ベータ)遮断薬 | 心臓の過剰な働きを抑えて血圧を下げます |
※ ARB:アンジオテンシン受容体拮抗薬、ACE阻害薬:アンジオテンシン変換酵素阻害薬
参照:「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子 高血圧の話https://www.jpnsh.jp/data/jsh2019_gen.pdf#page=15
コントロール不良の高血圧や二次性高血圧
高血圧治療中でもコントロール不良の高血圧(>180/110mmHg)の場合は、
家庭血圧を確認の上、かかりつけ医と連携し、降圧薬の見直しを提案しています。
また、生活習慣や加齢に伴う高血圧症(本態性高血圧)以外に他に
原因がある高血圧(ニ次性高血圧)が隠れていないかも確認します。
若い人で高血圧が見つかったり、高血圧がそれほどでもないのに内臓にダメージがきていたり、
複数の降圧薬内服中でも血圧をコントロールできない場合にニ次性高血圧を疑い、
必要時は循環器内科へ紹介致します。
ニ次性高血圧の例 : 腎性、内分泌性、血管性、薬剤性など
未治療の高血圧
未治療高血圧が見つかれば説明の上、食事の減塩(6g/日未満)、
適度な体重維持(BMI25未満)と運動(30分/日or180分/週)、禁煙に取り組んで頂き、
降圧薬の内服もおすすめ致します。
時々、高血圧(>140/90mmHg)があるにもかかわらず
無症状のため未治療のままでいる患者さんを見かけます。
短期的には確かに症状はありませんが長い年月、高血圧に血管がさらされると、
心筋梗塞、狭心症、心不全、腎障害、脳卒中などの重い病気につながっていきます。
当院では手術をきっかけに自分の健康上の問題を見直し、治療を開始して、
地元にかかりつけ医を見つけるを支援しています。
参照 : 高血圧治療ガイドライン2019 https://www.jpnsh.jp/data/jsh2019/JSH2019_noprint.pdf
手術について不安に思われることがありましたら いつでも内科にご相談ください。
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