当院の手術
[ 変形性関節症(股関節) ]

『人工関節』専門外来の
お知らせ

毎週月曜日 13:00-15:00(午後診)の
完全紹介予約制です。

日程はこちらをご確認ください。

股関節疾患に対する
専門的医療(人工関節)

これまでに70年近い長い歴史を持つ人工股関節全置換術は、
重度の変形性関節症にも安全で有効な治療法といわれています。
人工股関節置換術を受ける事で以下のような恩恵を受けられる可能性があります。

人工関節の役割

  • 股関節の痛みの軽減
  • 活動性の回復
  • クオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上

近年、人工関節の性能は著しく向上しています。
どの部分に使用する関節かやメーカによって異なりますが、一般的にはポリエチレン(プラスチック素材)またはセラミックと金属を構成素材としています。研究開発が進むことで、より摩耗への耐久性が上がり、生体へも適合しやすくなりました。

また、施術自体も「前外側進入」という大腿筋膜張筋と中殿筋の間から切開する方法をとります。股関節を安定させ、 術後脱臼を予防するために重要な短外旋筋群を含め、全ての筋組織を一つも傷つけないよう工夫しています。

ハイリークロスリンクポリエチレン
人工関節に使われる摺動面(体重がかかり、動く部分)にはポリエチレンが使用されていますが、従来のポリエチレンに比べ、ハイリークロスリンクポリエチレンは”クロスリンク処理:架橋構造”でなされており、より強く耐久性があると言われています。この素材進化に加え、手技の研鑽・向上もあり、現在の非常に安定した手術が実現しています。

生活の質(Quality of Life:QOL)
を保つため
個々に応じた治療を
追求します

股関節の主な疾患

股関節の臼蓋と呼ばれる骨盤の受け皿となる部分と、骨頭と呼ばれる大腿骨の丸い部分の噛み合わせにより、股関節を自由に動かすことができます。さらにこの関節は軟骨で覆われており、痛みを伴わずスムースに動かすことができるようになっています。

ただし、加齢などの理由で、関節軟骨は変性し摩耗することがあります。

関節表面が平らでなくなると結果として痛みが生じ、関節の動きも徐々に硬くなってゆきます。

変形性股関節症

股関節の代表的な疾患は、多い順に 1.骨折 2.変形性股関節症 3.大腿骨頭壊死 です。

変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減ることで痛みが生じる病気で、圧倒的に女性に多いのが特徴です。
中でも、骨のかたちの異常から二次的に発症するケースが約9割を占めており、幼少期の股関節発育不全(臼蓋形成不全)のために、ボールに対するソケットのかぶさりが十分でないことが原因で起こります。

痛みや動きの制限、あるいは跛行(はこう)を伴い、一度 発症すると加齢とともに次第に悪化し、さらに進行すると元の状態に戻すことはできなくなります。

臼蓋形成不全
日本人には生まれつき骨盤の被りが小さい方が多く、特に出生時に股関節脱臼があった方には顕著にみられます。このような状態を臼蓋形成不全といい、狭いかぶせ部分に体重が集中するため、早い時期から軟骨がすり減り、骨が変形し、若くして痛みを生じることが多くあります。この臼蓋形成不全は、女性に多い疾患であることが知られています。

大腿骨顆部骨壊死

大腿骨頭壊死症は、大腿骨の上端部への血流が妨げられて起こる病気です。

骨にも身体の他の組織と同じように血液循環が必要ですが、大腿骨頭は軟骨で被われた大腿骨頭が関節内に深く納まっているため、もともと血流障害を引き起こしやすく、骨の細胞が衰え、進行して壊死にいたります。

初期症状としては、歩行時や階段の上り下りの際に股関節に痛みを感じる程度ですが、進行するとその痛みが持続するようになります。
更に痛みで動かしづらくなった筋肉が萎縮し、股関節自体の動きが悪くなると正常歩行が困難になります。

変形性股関節症・大腿骨頭壊死の手術方法

手術 麻酔 入院日数 保険適用 有効率
THA (人工股関節置換術)

当院の手術は、
DAA(最小侵襲前方侵入法)を
採用しています

DAA アプローチ(Direct anterior approach)とは、特別な台、手技を用いる術式です。
筋肉をほぼ切らないで、また組織もあまり痛めずにすむ為、術後の回復が早くなり、海外では術翌日退院する方もいるほどです。

当院では2014年より導入、専用の牽引手術台を用いて行い、他院の前方アプローチ法とは異なります。
手術をより安全に行うことができるようになり、患者さんのより早い社会復帰につながっています。

クリティカルパスについて

前方進入法

ちょうどズボンのポケットあたりに10cm弱の傷。
基本的にはほとんど筋肉を切らず、筋肉の間から股関節にたどり着く方法。

外側進入法

骨や筋肉を一部剥がすが、のちに再縫着する。
大きな展開が可能で、変形が強い病態(骨移植を併用する場合)の時に使用する方法。

人工股関節置換術(THA)


人工関節の例

人工関節置換術とは、傷んで変形した関節を人工物で作られた関節に置き換える手術です。その手術を受けることにより、関節が滑らかに動くようになります。

術後、大半の方は痛みから解放され、関節の動く範囲が広がり、日常生活を送り易くなります。
多くの場合、手術を受けることにより、一番の目的である生活の質(Quality of life:QOL)を改善することができます。

人工関節置換術には様々な方法があります。変形の程度や、患者さんの特性に合わせて、最適と考える治療法を提供します。

次世代のナビゲーションシステム

当院では、CTスキャンやMRIなどを撮影した股関節の3次元画像データから、手術用ガイドとなる器械を作製しています。
手術計画を立てたり、実際に手術時に一計測として使用しています。

術部の固定方法

セメント固定

骨セメントで金属と骨を固定する方法は、術直後でもしっかり固定できているため、早期に荷重をかける事ができ、手術翌日から歩行練習も可能です。
それに加え、術中の骨折や術直後のゆるみがなく、術後に大腿部痛が起きない等の利点もあり、当院では歴史ある確実な治療法として実施しています。

セメントレス固定

セメントを使わず、金属を骨に直接固定する方法は、骨の変形が軽度であり、セメントを使わずとも安全な固定が可能と判断した場合に実施します。
一部金属製のネジを使用する場合があります。

人工関節の祖といわれるイギリスのジョン・チャンレー卿が1962年に人工関節の基礎を発明しました。以来、様々な改良が日夜行われています。チャンレー式人工関節は、最も歴史のある生体セメントによる人工関節固定術です。新しいもの=最良なもの、ではありません。鳴り物入りで登場した新型人工関節も、結局長持ちせず、発売中止になっているものが、数多くあります。このオリジナル手技を進化させたセメント手技は、やや特別な手技を必要としますが、きっちりとした手技を行うことにより、ゴールデンスタンダードともいわれる安定した手術が行えます。

『人工関節』専門外来の
お知らせ

毎週月曜日 13:00-15:00(午後診)の完全紹介予約制です。

日程はこちらをご確認ください。

手術実績 医師紹介

学会発表 [ 人工関節 ]

リハビリについて

その他、疾患に合わせた様々な手術を行っています。

他医療関係者の方々へ

当院では地域の診療所や病院との連携を大切にいたしております。
手術前、手術後とも、患者さんにとっては自宅近くのかかりつけクリニックと連携し、
治療を行うことが最善と考えます。

ご紹介いただく場合は、診察予約をさせていただきます当院 地域連携室 までご連絡ください。

他医療機関の方々へ